「看護師は給料がいい」と言われることが多い。
新卒のころは、そう感じていました。夜勤手当がつくと手取りが一気に増える。同世代の友人と比べると、たしかに多かった。
でも、年数を重ねるうちに、ある体感が積み重なっていきました。
体はしんどくなる。給料は、思ったほど上がっていかない。
その体感が、あるデータで裏付けられました。
日本看護協会のデータが示していたこと
公益社団法人日本看護協会「協会ニュース2025年11月号」に、看護師と全産業労働者の給与を年齢別に比較したグラフが掲載されています。
見えてきたのは、こういう構造でした。
- 20代は、看護師の方が全産業平均を上回る
- 30代で逆転する
- 40代後半では、夜勤手当を含めても全産業労働者と月9.5万円の差が生じている
- この格差は、2023年よりさらに拡大している
昇給はあります。でも、他産業の伸びに追いつかない。気づいたときには、差が広がっていました。
夜勤手当についても、データがあります。
1回あたりの夜勤手当(二交代制)は、2010年からほぼ横ばいのまま。
体力を削って、睡眠リズムを崩して、家族との時間を犠牲にする。それに支払われる手当が、10年以上変わっていません。
出典:公益社団法人日本看護協会「協会ニュース2025年11月号(看護職員の賃金に関する実態調査)」(最終閲覧日:2026年4月25日)
https://www.nurse.or.jp/home/about/kyokainews/2025_11.html
体感と、一致していました
このデータを見たとき、「そうだったのか」と驚くより先に、「やっぱり」と思いました。
現場で感じていたことが、そのまま数字になっていたからです。
時間外手当や夜勤手当がついていると、給与明細の合計は大きく見えます。でも、それがなくなった途端、手取りは一気に落ちる。
看護師のパートの時給を調べたことがあります。専門職の資格を持っていても、他の職種のパートと、それほど変わりません。
採血をして、点滴を管理して、患者さんの状態をアセスメントして、何が必要かを判断しながら動く。それが、専門職の時給に反映されていない。そう感じていました。
そして、もうひとつ気づいていたことがあります。
看護師は、転職で年収を上げていく職業ではない。
一般企業では、転職のたびにスキルと経験が評価されて年収が上がることがあります。でも看護師は、夜勤を外した瞬間に年収が下がる。経験を積んでも、転職先で大幅アップは期待しにくい。
これは体感だけでなく、実際に転職活動をしてみて確認したことでもあります。転職活動についての記事も書いたのでよかったら読んでみてください。

「看護師しかない」は、思い込みかもしれない
辞めたいと思っても踏み出せない理由のひとつに、こんな不安があると思います。
「看護師を辞めたら、もっと給料が下がるんじゃないか」
私もそう感じていました。看護師以外の仕事をしたことがないから、比べる基準がない。「資格があるからまし」と思って、踏みとどまっていた時期がありました。
でも、よく考えると、それは一度も試したことがないから生まれる不安です。
採血ができる。点滴の管理ができる。患者さんの状態を見て、必要なことを判断できる。複数のことを同時にこなしながら、緊急時にも対応できる。
これだけのことができる人が、他の仕事をしたらどうなるか。
看護師ができるなら、何でもできると思っています。
ある人に言ってもらった言葉があります。
「看護師資格を持っているんだから、挑戦してダメだったらまた看護師で働けるのが強みだよ」
本当だな、と思いました。
挑戦して失敗しても、戻れる場所がある。それはかなり大きなセーフティネットです。「看護師しかない」ではなく、「看護師がある」。そう考えると、少し景色が変わりました。
まずは私自身が、飛び込んでみます。
知って、選ぶ
頑張れば報われる場所と、そうでない場所があります。
残念ながら、場所を間違えると、その努力は報われません。
場所は、自分で選んでいい。
自分の人生に責任を取ってくれる人は、誰もいません。自分が責任を持って生きるだけです。
辛く嫌な思いをした対価が、給料ではありません。
もっとやりがいを感じられる、楽しい仕事がたくさんあるんじゃないかと思っています。
知らないまま「しょうがない」と思い続けるのは、もったいない。
これは、逃げではなく私なりの挑戦です。
まとめ
- 看護師の給料は20代がピーク。30代で全産業平均と逆転する
- 40代後半では夜勤手当込みでも月9.5万円の差(しかも年々拡大中)
- 夜勤手当は10年以上ほぼ横ばい
- 看護師の給料は「時間外・夜勤手当でかさ増しされている」構造
- 「看護師しかできない」は、試したことがないだけかもしれない
- データは、選択肢を増やすための情報


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