ハローワークの初回講習・説明会の帰り際、職員さんから一冊の冊子を渡されました。
最近1週間に受理された求人情報の一覧です。

家に帰って、それを眺めてみました。
眺めながら、いろいろなことを考えさせられました。
求人一覧を見ての第一印象
ページをめくった最初の感想は、看護師の求人が少ないな、というもの。
ほとんどが一般企業の求人でした。
製造、介護、建設、運送、販売、事務。
そのなかにポツポツと、看護師や介護士の求人がある程度。
看護師時代は、知らない世界。
「こんなに色々な職種があるんだな」と、まず素直に思いました。
知っている職業の時給に驚いた
一覧を眺めていて、ふと気づいたこと。
「あ、この職業ってこのくらいの給料なんだ」
知っている仕事、知っている職場、近所のあの店。
具体的な金額を見るのは、初めての経験でした。
「あの人、これくらいの時給で働いているんだ」と、相場感が見えてきます。
そして、ふと思いました。
「最低賃金って、いくらだっけ?」
調べてみました。
最低賃金は都道府県ごとに違う
最低賃金は、雇用主がこれ以下の時給で人を雇ってはいけないと国が定めた金額です。
調べてみて知ったのは、最低賃金は全国一律ではなく、都道府県ごとに金額が違うということ。
- 全国平均:時給1,055円(2025年10月以降)
- 最も高い東京都:時給1,163円
- 地方の多くの県:時給1,000円前後
毎年10月頃に改定されるそうです。
自分が住んでいる県の最低賃金を調べて、ハローワークの求人と並べてみました。
すると、パート求人の時給は、ほとんどが最低賃金+数十円〜100円程度。
「最低賃金が、求人時給の基準になっているんだな」と実感しました。
ハローワーク=セーフティーネット
求人を眺めていて、もうひとつ感じたこと。
ハローワークは、最低限の生活を守るための場所なんだな、ということ。
並んでいる求人の多くは、最低賃金近くの時給。
正社員の求人も、月17万〜22万円台が中心。
「セーフティーネット」という言葉が頭に浮かびました。
仕事を失った人が、最低限の生活を取り戻すための受け皿。
それがハローワーク。
そう感じると、見え方が少し変わりました。
「収入の階段」が見えた
求人を見ながら、自分の収入が今後どう変わっていくのかが、なんとなく見えてきました。
- 看護師として勤務 → 収入は安定
- 看護師として転職 → やや下がる
- 無職・求職者 → 最低賃金レベルまで下がる
転職活動でも、年収は下がることが多いと聞きます。
そして、無職になり求職者となった場合、ハローワークの求人を見るかぎり、最低賃金レベルまで下がるのが現実。
「収入には階段がある」
そんな感覚を、初めて持ちました。
驚愕したのは、最低賃金レベルの求人ばかりだったこと
求人一覧の中に、看護師の求人もいくつかありました。
看護師【管理者候補】の求人は、月給22.5万円固定。
普通の看護師の最低ラインと、ほぼ同じ金額です。
安いと思いました。
ただ、看護師の給料がそれほど高くないことは、薄々わかっていました。
転職しても年収が大きく上がらないことも、知識として持っていました。
そこは、想定の範囲内だった。
衝撃を受けたのは、別のところです。
世間一般の求人が、ほとんど最低賃金近くだったこと。

正社員の求人も、月17万〜22万円台が中心。
パート求人の時給は、最低賃金+数十円。
「世の中の仕事って、こんなに最低賃金近くなんだ…」
知っているつもりで、知らなかった世界。
これまで「看護師の給料は安い」と思っていたけれど、世間の基準は、もっと低かった。
ニュースでは、「人手不足だ」「働き手がいない」と何度も聞いてきました。
それなのに、目の前の求人は、最低賃金+数十円ばかり。
人手不足と言いながら、安い賃金で働かせようとしている。
この矛盾を、求人を眺めながら強く感じました。
最低賃金レベルの仕事ばかりでは、生活が楽になるとは思えません。
看護師以外で、私にできることある?
求人一覧を眺めながら、自分に問いかけました。
「看護師以外で、私にできることってあるのかな?」
受付?
事務?
配達員?
どれを思い浮かべても、自分が働いている姿が想像できない。
「できるかな」という不安だけが残りました。
最初のヒアリングで「看護師以外でも探したい」と職員さんに伝えたのに、いざ求人を見ると、自分が看護師以外で働くイメージができていなかったことに気づきました。
ちょっと反省。
ハローワークで揺れた、私の選択
求人を眺めながら、ふと頭をよぎりました。
「辞めて良かったのかな」
最低賃金に近い時給。
看護師以外の選択肢の少なさ。
看護師の管理職候補ですら22.5万円固定という現実。
求人情報を眺めるたびに、不安になることばかりでした。
総合病院で働いていた頃は、給料も、福利厚生も、何かに守られていた感覚がありました。
そのまま定年まで働き続けていたら、こんな世界を知らないまま、安全な場所で過ごせたのかもしれません。
退職して得られたものは、たしかにあります。
時間、健康、自分と向き合える余裕。
でも、失ったものも、ちゃんとありました。
安定した収入、福利厚生、社会的な肩書き。
その両方を、ちゃんと伝えたいと思います。
求人を見ながら、もうひとつ気づいたこと。
「看護師として働き続ける人が多い理由」が、少しわかった気がします。
看護師以外の正社員求人の多くは、月17万〜22万円台。
看護師の求人は、月22万〜31万円台。
その「ちょっと多い」が、看護師を続ける理由になっている人も、きっといる。
私が知らなかっただけで、看護師という仕事はその経済的な安定も含めて成り立っていたんだな、と思いました。
安易に辞めないほうがいい
求人を眺めながら、もうひとつ思ったこと。
特に不満がない人や、今の環境に満足している人は、安易に辞めないほうがいいかもしれません。
看護師として働いていたときは、私もとても守られた場所にいました。
安定した収入、福利厚生、社会的な肩書き。
それが当たり前のように感じていた。
でも、辞めてみると、その守られた場所がいかに恵まれていたかが、よくわかります。
今、私は知らない海の底を歩いている感覚です。
看護師時代には見えなかった世界。
求人の現実、最低賃金、自分にできる仕事。
全部、知らないことばかり。
水のなかをゆっくり歩くように、ひとつひとつ確かめながら進んでいます。
それでも、自分で選んだ道なので、進むしかありません。
ただ、続けられる人は、続けたほうが安全だと思います。

それでも、動き出す
不安はあります。
辞めて良かったのかな、と思う瞬間もあります。
失ったものもあります。
でも、求人情報を眺めて、いろいろなことが見えました。
知らなかった世界。
収入の階段。
看護師という仕事の意味。
仕事、見つかるかな?
やりたいことって、なんだろう?
不安と問いを抱えながら、ちゃんと探してみます。
今日から私は、求職者です。
※本記事は2026年5月時点の一般的な情報をまとめたものです。最低賃金や求人情報は時期や地域により変わります。最新の情報は厚生労働省・各ハローワークの公式情報をご確認ください。


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