
退職を伝えたら、有給も取らせてもらえないし、引き継ぎの話も進まなくて。
円満に辞めることって、本当にできるのかな。

私も最初は円満退職を目指していました。でも途中で気づいたんです。
その円満って、誰のためのものなんだろう、って。
「円満退職」を目指すのをやめて、目標を「そっと消えるように辞めること」に変えました。円満退職は病院にとっての円満であって、自分にとってではないと気づいたからです。有給は、取りました。
- 「円満退職」が誰のためのものかという問い
- 有給消化を巡る職場とのやりとりのリアル
- 「いい人」でいることの限界と気づき
- 「そっと消えるように辞める」という選択
円満に辞めることに疲れたとき、この記事が少し気持ちを楽にしてくれたらと思います。
「看護師 円満退職」で検索してみると、こんな記事がずらりと並びます。
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- 看護師が円満退職するための6ステップ
- 円満退職するためのスケジュールとポイント
- 退職を言いにくい時の上手な伝え方
私も最初は、そっちを目指していました。
「人がいないから」
有給休暇を取りたいと伝えました。返ってきた言葉は、「人がいないから……」。
私は、「そうですよね。ご迷惑をかけてすいません」と答えました。でも、心の中では思っていました。いつだって人はいない。半年後でも、1年後でも、きっと同じことを言われる。長年いたから、わかります。人手不足は、ずっとそこにありました。私が辞めるから生まれた問題ではありません。
さらに、「有給を取ると思っていなかった」とも言われました。心の中では、そんなわけあるかーい!と叫びました。でも、そこはぐっと飲み込んで、冷静に。
後任者は決まらず、引き継ぎの話も進みません。段取りを話そうとすると、どこか避けられているような感覚がありました。
病院の人手不足は、私が有給を返上して解決するようなレベルの問題なのでしょうか。社会問題なのに、看護師一人の退職前の有給消化で、何か変わるのでしょうか。
円満退職って、誰のための「円満」?
途中から、考えるようになりました。円満退職って、誰にとっての「円満」なんだろう。
当たり障りのない退職理由を述べて、有給も取らず、最後まできっちり働いてくれれば、病院にとっては「円満」だったことになるでしょう。でも、それは自分にとっても円満退職と言えるのでしょうか。
これまで何日も消化せずに捨ててきた有給を思えば、有給をもらうことが、そんなに悪いことなのか。まるで犯罪者みたいに。
委員会と重なって、行けなかった授業参観もありました。捨ててきたのは、有給の日数だけではありませんでした。
まだ「いい人」でいたいの?
私はずっと、職場で「いい人」でいたかったんです。波風を立てない。誰かに迷惑をかけない。自分の気持ちはいつも後回し。
やっと、自分の気持ちに気づけたのに。その気持ちを、またないがしろにするの? まだ「いい人」でいたいの?
完全に、自分に向けた言葉でした。
あんな風になりたくないと思っていたのに
職場に、こういう人がいました。「やってられないよね。辞めたいよね」と言いながら、絶対に辞めない人。あんな風にはなりたくない、と見ていました。
でも気づいたら、そっち側にいたんです。こりゃダメだ。なりたい自分から、遠ざかっていました。
「辞めたい」が言えなくなった
本当に辞めると決めてから、「辞めたい」という言葉が、口から出なくなりました。もう決まっているんだもん。
「辞めたい」は、愚痴の言葉ではなくなっていました。
そっと消えるように、辞めることにした
円満退職を目指すのはやめて、目標を変えました。そっと消えるように、辞めること。
目指したのは、「あの人、いつの間に辞めたの?」と言われるくらい、静かに辞めることでした。退職を企てていることを、周囲に悟られない。それも、こじれずに辞めるための準備だったと思っています。
病院のために頑張ることはやめました。でも、給料をいただいている間は、看護はきっちりやる。今の自分にできることは、全力でやろうと決めていました。
最後まで自分の仕事はやる。でも、できないことは、できないと断る。
給料をもらえるのも、あと数回。そう思うと、これまでなんとなく受け取っていた給料の重みが変わりました。ありがたく給料をもらえる立場。このポジションで働かせてもらっている間は、自分にできることをやろう。
でも、自分と職場との線引きは、引かせてもらう。それが「無責任」「中途半端」と思われても、もう仕方がない。
病院を困らせたいわけではありません。ただ、病院のために命を使い続けることに、白けてしまっていたんです。
自分しか知らないことがないよう、これまでの業務は全部、引き継ぎ書にまとめました。それが、私にできる最後の仕事でした。
退職を機に、関係が遠のく人もたくさんいると思います。でも、それでいいと思っています。それは単に、職場での関係だったということですから。
働いているときは、その関係性が、心の多くの割合を占めていました。でも、それがなくなると、それに関連する悩みも、なくなるんです。
アセスメント力、結構自信あったんだけどなー
あとになって、気づいたことがあります。あの頃の私は、燃え尽き症候群だったんじゃないか。
あんなにやりがいに満ちていたのに、いつの間にか、自分の状態にすら気づけていませんでした。心が真っ黒に丸焦げになっていても、周りからは意外とわからないらしいです。
アセスメント力、結構自信あったんだけどなー。
燃え尽き症候群に気づいた話は、こちらに書いています。

ただの「退職」だって、いいじゃないか
円満退職できる人も、いると思います。私だって、それを目指していました。ただ、「円満退職」だけが正解ではありません。ただの「退職」だって、いいじゃないですか。
誰だって、円満に終えることを望んでいます。でも、うまくいかないこともある。それは、決して、あなただけのせいではありません。
まとめ
- 円満退職は、病院にとっての「円満」。自分にとっての円満とは限らない
- 有給は権利。取ることは、悪いことでも犯罪でもない。捨ててきたのは、有給の日数だけではなかった
- 目標は「あの人、いつの間に辞めたの?」。静かに辞めるために、職場との線引きは引かせてもらった
- 退職で関係が遠のく人もいる。でもそれは職場での関係だっただけ。悩みも一緒になくなる
私はたぶん、「そう言えば、最近あの人見ないわね」くらいだったと思います。
それくらいで、ちょうどいいんです。


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