
iDeCoは60歳まで置いておけばいいんだよね。
受け取り方なんて、まだ考えたこともなかった。

実は、どう受け取るかで、手元に残る金額が変わるんです。
私も調べて、初めて知りました。
iDeCoは「育てる」だけでなく、「どう受け取るか」で手元に残る金額が変わります。使える控除は2つ。退職金を先に受け取った人は、iDeCoの一時金を20年あけて受け取ると、退職所得控除を2度使えます。今すぐ決めなくても、こういう仕組みを知っておくだけで安心できます。
- iDeCoの「出口(受け取り方)」が大事な理由
- 受け取り方は3つあること
- 受け取りに使える控除が2つあること
- 退職金を先にもらった人が知っておきたい「20年ルール」
iDeCoを続けている方、これから退職を考えている方の参考になればうれしいです。
こんな人におすすめ
こんな方に届くといいなと思います。
- iDeCoをやっているけれど、受け取り方を考えたことがない
- 「60歳まで置いておけばいい」と思っている
- これから退職を考えていて、お金の準備をしておきたい
- 退職金をもらう予定がある
iDeCoは「育てる」話ばかりだけど
iDeCoの情報は、たくさんあります。
どの金融機関がいいか。どの商品を選ぶか。掛け金はいくらにするか。どれも「入口」と「育て方」の話です。
でも、調べていて気づきました。「どう受け取るか」という出口の話は、あまり語られていません。
iDeCoは、受け取るときに税金がかかる場合があります。そして、受け取り方によって、手元に残る金額が変わります。育てるのと同じくらい、出口も大事なのだと知りました。
私がiDeCoを移換したときの話は、こちらに書いています。

受け取り方は3つある
iDeCoの受け取り方は、3つあります。
- 一時金(一括で、まとめて受け取る)
- 年金(分割で、少しずつ受け取る)
- 併用(一部を一時金、残りを年金で受け取る)
どれを選ぶかで、使える控除が変わります。そして、税金も変わってきます。
受け取りに使える控除は2つ
iDeCoを受け取るときに関係する控除は、2つあります。
| 受け取り方 | 使える控除 |
|---|---|
| 一時金で受け取る | 退職所得控除 |
| 年金で受け取る | 公的年金等控除 |
退職所得控除は、退職金にかかる税金を軽くする制度です。長く加入したほど、控除額が大きくなります。
退職所得控除のしくみは、こちらの記事に書いています。

公的年金等控除は、年金を受け取るときに使える控除です。
一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除。それぞれ別の枠なので、受け取り方を工夫すると、両方を活かせる場合があります。
退職金を先にもらった人が知っておきたい「20年ルール」
ここが、いちばん知っておきたいところです。
退職所得控除は、退職金とiDeCoの一時金で、それぞれ使えます。ただし、受け取る時期が近いと、控除が重複して、フルに使えないことがあります。
これを調整するのが、よく「20年ルール」と呼ばれるものです。
勤務先から退職金を受け取って、その20年以上あとにiDeCoを一時金で受け取ると、退職所得控除を2度、それぞれ使える。
逆に、退職金を受け取ってから20年たたないうちにiDeCoの一時金を受け取ると、控除が重複して、2度目はフルに使えません。
つまり、退職金を先に受け取った人は、iDeCoの一時金を「20年あけて」受け取ると、控除を2度しっかり使えるということです。
仮に、退職金を受け取った年から数えて20年あく年齢でiDeCoの一時金を受け取れば、退職所得控除をまた満額使える計算になります。
出典:東京国税局「退職所得控除額の計算の特例について」(所得税法第30条・所得税法施行令第70条に基づく)

なお、受け取る順番が逆の場合は、あける年数が変わります。iDeCoの一時金を先に受け取って、あとから退職金を受け取る場合は、20年ではなく5年あければ、退職所得控除を2度使えるとされています。
iDeCoが先になるのは、たとえば定年まで働く人です。iDeCoは60歳から受け取れるので、先にiDeCoを受け取り、そのあと定年で退職金を受け取る、という流れになりやすいからです。
| 受け取る順番 | あける年数 | 当てはまりやすい人 |
|---|---|---|
| 退職金が先 → iDeCoがあと | 20年 | 定年を待たずに退職した人 |
| iDeCoが先 → 退職金があと | 5年 | 定年まで働く人 |
自分がどちらに当てはまるかで、考え方が変わります。退職金を先に受け取った私は、上の「20年」のほうです。
私のぼんやりした出口戦略
私はすでに、退職金を受け取っています。
なので、iDeCoの一時金は、退職金から20年以上あけて受け取りたいと思っています。具体的には、65歳から年金を受け取り始める、その少し前にiDeCoを一時金で受け取る。今は、そんなふうにぼんやり考えています。
そうすれば、
- iDeCoの一時金は、退職金から20年以上あくので、退職所得控除を2度使える
- そのあと受け取る公的年金は、公的年金等控除を使う
と、2つの控除を、それぞれ活かせそうだからです。
もちろん、これが正解とは限りません。受け取り方の正解は、人によって違います。今すぐ決めることでもありません。60歳まで、まだ時間があります。
それでも、こういう順番があると知っておくだけで、安心できます。
今できるのは、2つの控除を頭に置いておくこと
iDeCoの出口戦略は、難しく考えると、きりがありません。
今できるのは、2つの控除があると知っておくこと。それだけで十分だと思っています。
- 一時金で受け取る分には、退職所得控除
- 年金で受け取る分には、公的年金等控除
この2つを頭の片隅に置いておく。そして、退職金を先にもらった人は「20年あける」と退職所得控除を2度使える、と覚えておく。
それだけで、いざ受け取るときに、慌てずにすみます。
もし今、退職を考えているなら。退職金のことだけでなく、iDeCoをいつ・どう受け取るかも、早めに知っておくと安心です。退職してからでは、選び直せないこともあるからです。私は退職してから知りましたが、知っておいて損のない知識だと思います。
年金の受け取り方についても、こちらに書いています。

まとめ
- iDeCoは「育てる」だけでなく「受け取り方」も大事
- 受け取り方は一時金・年金・併用の3つ
- 使える控除は退職所得控除と公的年金等控除の2つ
- 退職金を先にもらった人は「20年あける」と退職所得控除を2度使える
今すぐ決めなくても大丈夫です。こういう仕組みがあると知っておくだけで、いつか受け取るときの安心につながります。
制度は、これから変わることもあるでしょう。だからこそ、基本を知ったうえで、動向を見ていきたいと思っています。
老後のお金には、年金、iDeCo、新NISAなど、いくつもの柱があります。それぞれをいつ、どう受け取って、どう使っていくか。出口の戦略も、少しずつ考えておきたいところです。
せっかく準備してきたお金を、使い切れないまま終わらせないために。貯めることと同じくらい、上手に使うことも、大切なのだと思います。
※本記事は2026年6月時点の制度と、私個人の考えをまとめたものです。税金の取り扱いは、加入期間や受け取り時期、個別の事情によって異なります。制度は変わることがあるため、実際の受け取りを検討する際は、最新の情報を確認のうえ、税務署や税理士などの専門家にご相談ください。


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