iDeCoの出口戦略|「育てる」の次に考えたい、受け取り方の話

投資・資産形成
悩める看護師
悩める看護師

iDeCoは60歳まで置いておけばいいんだよね。
受け取り方なんて、まだ考えたこともなかった。

しおり
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実は、どう受け取るかで、手元に残る金額が変わるんです。
私も調べて、初めて知りました。

iDeCoは「育てる」だけでなく、「どう受け取るか」で手元に残る金額が変わります。使える控除は2つ。退職金を先に受け取った人は、iDeCoの一時金を20年あけて受け取ると、退職所得控除を2度使えます。今すぐ決めなくても、こういう仕組みを知っておくだけで安心できます。

今回の記事でわかること
  • iDeCoの「出口(受け取り方)」が大事な理由
  • 受け取り方は3つあること
  • 受け取りに使える控除が2つあること
  • 退職金を先にもらった人が知っておきたい「20年ルール」

iDeCoを続けている方、これから退職を考えている方の参考になればうれしいです。

こんな人におすすめ

こんな方に届くといいなと思います。

  • iDeCoをやっているけれど、受け取り方を考えたことがない
  • 「60歳まで置いておけばいい」と思っている
  • これから退職を考えていて、お金の準備をしておきたい
  • 退職金をもらう予定がある

iDeCoは「育てる」話ばかりだけど

iDeCoの情報は、たくさんあります。

どの金融機関がいいか。どの商品を選ぶか。掛け金はいくらにするか。どれも「入口」と「育て方」の話です。

でも、調べていて気づきました。「どう受け取るか」という出口の話は、あまり語られていません。

iDeCoは、受け取るときに税金がかかる場合があります。そして、受け取り方によって、手元に残る金額が変わります。育てるのと同じくらい、出口も大事なのだと知りました。

私がiDeCoを移換したときの話は、こちらに書いています。

iDeCoの移換完了|SBI証券で5000円拠出を続ける理由
iDeCoの移換完了。企業型DCの約207万円が、230万円になっていました。月の手数料は171円。最低額5,000円で拠出を続けています。iDeCoは60歳まで引き出せないから、新NISAをフル活用しながら、時間をかけて増えてくれればいい。一喜一憂はしません。

受け取り方は3つある

iDeCoの受け取り方は、3つあります。

  • 一時金(一括で、まとめて受け取る)
  • 年金(分割で、少しずつ受け取る)
  • 併用(一部を一時金、残りを年金で受け取る)

どれを選ぶかで、使える控除が変わります。そして、税金も変わってきます。

受け取りに使える控除は2つ

iDeCoを受け取るときに関係する控除は、2つあります。

受け取り方 使える控除
一時金で受け取る 退職所得控除
年金で受け取る 公的年金等控除

退職所得控除は、退職金にかかる税金を軽くする制度です。長く加入したほど、控除額が大きくなります。

退職所得控除のしくみは、こちらの記事に書いています。

退職金に税金はかかるの?退職所得控除のしくみをわかりやすく解説
公立・公的な病院で10〜20年働いてきた看護師の多くは、退職金に税金がかかりません。

公的年金等控除は、年金を受け取るときに使える控除です。

一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除。それぞれ別の枠なので、受け取り方を工夫すると、両方を活かせる場合があります。

退職金を先にもらった人が知っておきたい「20年ルール」

ここが、いちばん知っておきたいところです。

退職所得控除は、退職金とiDeCoの一時金で、それぞれ使えます。ただし、受け取る時期が近いと、控除が重複して、フルに使えないことがあります。

これを調整するのが、よく「20年ルール」と呼ばれるものです。

勤務先から退職金を受け取って、その20年以上あとにiDeCoを一時金で受け取ると、退職所得控除を2度、それぞれ使える。

逆に、退職金を受け取ってから20年たたないうちにiDeCoの一時金を受け取ると、控除が重複して、2度目はフルに使えません。

つまり、退職金を先に受け取った人は、iDeCoの一時金を「20年あけて」受け取ると、控除を2度しっかり使えるということです。

仮に、退職金を受け取った年から数えて20年あく年齢でiDeCoの一時金を受け取れば、退職所得控除をまた満額使える計算になります。

出典:東京国税局「退職所得控除額の計算の特例について」(所得税法第30条・所得税法施行令第70条に基づく)

退職金とiDeCo一時金は20年あけると退職所得控除を2度使える図解

なお、受け取る順番が逆の場合は、あける年数が変わります。iDeCoの一時金を先に受け取って、あとから退職金を受け取る場合は、20年ではなく5年あければ、退職所得控除を2度使えるとされています。

iDeCoが先になるのは、たとえば定年まで働く人です。iDeCoは60歳から受け取れるので、先にiDeCoを受け取り、そのあと定年で退職金を受け取る、という流れになりやすいからです。

受け取る順番 あける年数 当てはまりやすい人
退職金が先 → iDeCoがあと 20年 定年を待たずに退職した人
iDeCoが先 → 退職金があと 5年 定年まで働く人

自分がどちらに当てはまるかで、考え方が変わります。退職金を先に受け取った私は、上の「20年」のほうです。

私のぼんやりした出口戦略

私はすでに、退職金を受け取っています。

なので、iDeCoの一時金は、退職金から20年以上あけて受け取りたいと思っています。具体的には、65歳から年金を受け取り始める、その少し前にiDeCoを一時金で受け取る。今は、そんなふうにぼんやり考えています。

そうすれば、

  • iDeCoの一時金は、退職金から20年以上あくので、退職所得控除を2度使える
  • そのあと受け取る公的年金は、公的年金等控除を使う

と、2つの控除を、それぞれ活かせそうだからです。

もちろん、これが正解とは限りません。受け取り方の正解は、人によって違います。今すぐ決めることでもありません。60歳まで、まだ時間があります。

それでも、こういう順番があると知っておくだけで、安心できます。

今できるのは、2つの控除を頭に置いておくこと

iDeCoの出口戦略は、難しく考えると、きりがありません。

今できるのは、2つの控除があると知っておくこと。それだけで十分だと思っています。

  • 一時金で受け取る分には、退職所得控除
  • 年金で受け取る分には、公的年金等控除

この2つを頭の片隅に置いておく。そして、退職金を先にもらった人は「20年あける」と退職所得控除を2度使える、と覚えておく。

それだけで、いざ受け取るときに、慌てずにすみます。

もし今、退職を考えているなら。退職金のことだけでなく、iDeCoをいつ・どう受け取るかも、早めに知っておくと安心です。退職してからでは、選び直せないこともあるからです。私は退職してから知りましたが、知っておいて損のない知識だと思います。

年金の受け取り方についても、こちらに書いています。

年金の繰上げ・繰下げ受給とは|FP3級で学んだ、正解のない選択
年金は60歳から75歳の間で、受け取り開始を選べます。早めると減り、遅らせると増えますが、どちらが得かは寿命次第で、正解はありません。私は、50代後半の健康状態と資産の状況を見て決めようと思っています。

まとめ

  • iDeCoは「育てる」だけでなく「受け取り方」も大事
  • 受け取り方は一時金・年金・併用の3つ
  • 使える控除は退職所得控除と公的年金等控除の2つ
  • 退職金を先にもらった人は「20年あける」と退職所得控除を2度使える

今すぐ決めなくても大丈夫です。こういう仕組みがあると知っておくだけで、いつか受け取るときの安心につながります。

制度は、これから変わることもあるでしょう。だからこそ、基本を知ったうえで、動向を見ていきたいと思っています。

老後のお金には、年金、iDeCo、新NISAなど、いくつもの柱があります。それぞれをいつ、どう受け取って、どう使っていくか。出口の戦略も、少しずつ考えておきたいところです。

せっかく準備してきたお金を、使い切れないまま終わらせないために。貯めることと同じくらい、上手に使うことも、大切なのだと思います。


※本記事は2026年6月時点の制度と、私個人の考えをまとめたものです。税金の取り扱いは、加入期間や受け取り時期、個別の事情によって異なります。制度は変わることがあるため、実際の受け取りを検討する際は、最新の情報を確認のうえ、税務署や税理士などの専門家にご相談ください。

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